2026年11月8日日曜日

その減額、説明できますか? ――法律と事例で見る、元請の減額・追加作業のルール

その減額、説明できますか?――元請が知っておきたい減額・追加作業のルール

その減額、説明できますか?――元請が知っておきたい減額・追加作業のルール

建設工事・調査・設計業務と、他業種の公表事例から考える

確認日:2026年10月29日/法制度・公表資料は同日までのもの

仕事が進んでから、費用の負担や検査の基準について、発注側と受注側の認識が食い違うことがある。追加の対応が必要になったものの、当初の金額に含まれるのか、別途費用がかかるのかを十分に確認できていない場合もある。

建設や調査・設計の仕事は、途中で条件が変わることも珍しくない。だからこそ、作業を進める判断と、費用をどう扱うかの確認を、曖昧なままにしないことが大切になる。

この記事では、国土交通省や公正取引委員会の公表資料をもとに、減額、買いたたき、追加作業、不払いの事例と、関係する法律を整理した。発注側・受注側の双方が、契約と協議の進め方を確認するための資料としてまとめている。

本文中の説明用の例は、取引条件を考えるために設定した仮定である。特定の取引や当事者について、事実関係や違法性を判断するものではない。公表された相談例・勧告事例とは区別して記載している。

1.同じ「建設関係の仕事」でも、法律の入口が違う

まず気を付けたいのが、建設工事と調査・設計業務を混同しないことである。

取引の実態最初に確認する法律・制度確認する点
土木、建築、電気、設備などの建設工事の下請建設業法、民法。取引の状況により独占禁止法工事の内容、代金、追加変更、責任、支払条件
測量成果、設計図、調査報告書などの作成委託・再委託取適法の情報成果物作成委託への該当性、民法、独占禁止法委託内容、発注者・受注者の規模、発注日
現地確認、調査作業など役務の再委託取適法の役務提供委託への該当性、民法、独占禁止法他者に提供する役務の再委託か、自家利用か、事業者規模
従業員を使用しない個人・一定の一人法人への業務委託フリーランス法。建設工事なら建設業法も確認受託者・発注者の要件、委託期間

測量、設計、ボーリング調査などは、建設工事とは別の役務として扱われることがある。工事と包括して発注される場合などは契約の実態を見る必要がある。[1]

また、公取委は、建設工事そのものは取適法の対象とならない一方、建設工事に関する設計図面の作成委託は情報成果物作成委託になり得ると説明している。[2]

したがって、「元請が建設会社だから全部建設業法」「公共事業の下請だから全部取適法」という分け方はできない。調査・設計業務でも、実際に何を再委託したのかを確認する。

2.途中で仕事の内容が変わったとき、何を確認するか

2-1.追加対応と、当初業務の補完を分ける

説明用の仮定として、設備工事に付随する資料の作成を考えてみる。当初は所定の提出先向けの資料を作る予定だったが、途中で別の関係者向けにも、内容や形式の異なる資料が必要になったとする。

その対応が当初の契約に含まれるのか、新たな依頼なのか。元の資料の誤りを直すだけなのか、用途の変更に伴う作り直しなのか。同じ「修正」という言葉でも、事情は異なる。

状況確認したい点
当初の仕様に必要な内容が不足していた何が不足し、誰に責任があり、どのように補完するか
発注側の事情で用途や提出先が変わった当初業務との差分、追加の費用と期間
契約の対象が数量で決まっている数量の定義、実績の確認方法、合意単価
一式契約で、業務の範囲が争われている一式に含む項目、除外条件、仕様書との対応
担当者間では了解したが、正式な手続が済んでいない承認権限、変更の記録、金額を決定する手順

発注側にとっても、追加対応が必要だと分かった時点で、範囲・期限・費用を確認したほうが、納品時の認識違いを避けやすい。受注側も、必要な作業を黙って増やすのではなく、当初業務との違いを説明しておきたい。

2-2.減額する場合も、具体的な理由と計算が必要になる

検査の結果や実績数量に応じて、適切な補完や精算が必要となる場合はある。その際は、少なくとも次の点を整理したい。

  • 判断の根拠となる契約条項・仕様・合意内容
  • 不足や変更が生じた内容と、その原因
  • 対象となる費目、数量、単価、金額の計算
  • 相手方に説明し、協議した経緯

社内の予算や別案件の精算方法だけでは、当該契約の代金を変更できる根拠が明らかになるとは限らない。契約ごとの業務範囲と、実際に提供された内容を照合する必要がある。

2-3.国の指針が示す、条件変更の注意点

公取委の役務委託に関する指針は、取引上優越した委託者が、役務提供後に検査基準を恣意的に厳しくして代金を減らす場合を、問題となる例に挙げている。[3]

建設工事についても、国交省のガイドラインは、下請が確認を求め、元請が了承した内容で施工した後に、契約と異なるとして元請が費用の全額を負担せずやり直しを求める場面を問題視している。[4・本文44〜45頁]

当初の条件と、変更が必要になった事情を説明できることは、発注側にとっても受注側にとっても大切である。

なお、担当者間の了解と、契約上必要な正式の承認・変更手続は区別する。法令や仕様書で必須の事項を、権限のない担当者の了解だけで変更できるとは限らない。

3.建設工事で見られるトラブルの事例

以下では、国の示す問題例、実際に寄せられた相談、紛争処理の結果を分けて紹介する。相談があったことと、違反が確定したことは同じではない。

3-1.国交省が示す、問題となる取引の例

類型問題となる行為根拠・資料の位置付け
承認後のやり直し了承した施工を後から否定し、費用を下請だけに負わせる建設業法令遵守ガイドライン「8.やり直し工事」[4]
追加工事の押し付け工事を増やし、代金を適切に変更しない同「2-2.追加工事等に伴う追加・変更契約」等[4]
一方的な控除根拠不明の協力費、過大な駐車場代などを差し引く同「9.赤伝処理」[4]
価格の一方的決定協議せず価格を押し付け、必要原価を下回る契約となる同「4.不当に低い請負代金」「6.指値発注」[4]
古い労務単価の据置き必要な見直しをせず、適正な労務費を確保しない建設Gメンの調査を踏まえた労務費の取引事例集[5]

赤伝処理とは、支払う工事代金から何らかの費用を控除する実務上の処理である。呼び方より、負担する根拠、合意、実際の費用と金額の関係を確認する。[4]

労務費の事例集は、2026年1月5日付の資料である。古い単価の据置きなど、見積りの段階にも目を向けている。「安くしてほしい」という要望がすべて違法なのではなく、適正な労務費を損なうやり取りになっていないかが問題になる。[5]

3-2.実際の相談例① 発注者が払わないから、追加代金を払えない

公共の雨水管渠工事で、一次下請が残代金2,500万円と追加工事代金1,900万円を請求したところ、元請から発注者に支払ってもらっていないと説明された相談がある。

公表資料では、発注者の不払いはそのまま下請への不払い理由にはならないとして、施工実績・積算内訳などを整理し、弁護士への相談を勧めている。[6・PDF1頁目]

3-3.実際の相談例② 160万円の工事が、請求時に120万円にされた

マンションの内装工事を口頭で160万円で受けた一次下請が、支払請求時に理由なく120万円に値引きされたとする相談も公表されている。[6・PDF2頁目]

この例で確認したいのは、当初の160万円という合意を何で示せるかである。見積書のほか、依頼メール、着手指示、途中の支払、打合せ後の確認記録なども整理の対象になる。

3-4.実際の相談例③ 覚えのないペナルティを引かれた

住宅の大工工事で、工事完成後の請求から8万円をペナルティとして差し引かれ、相談者には該当するミスの覚えがないという例がある。[6・PDF2頁目]

ペナルティという名称だけで妥当性は決まらない。どの義務に違反したのか、損害や契約条項との関係、金額の根拠を確認する必要がある。

以上の3例は公表された相談内容であり、裁判所が事実認定して違反を確定した事例としては扱わない。

3-5.実際の解決例① 変更工事の見積りに合意がない

住宅工事で、下請が変更工事代金等700万円を請求し、元請は見積りに合意していない、請求額が過大だと争った事例がある。中央建設工事紛争審査会の調停では、未払い工事代金を360万円と認める内容で成立した。申請から解決まで3か月、審理2回と公表されている。[7・「建築関係/元請負人・下請負人間等」①]

3-6.実際の解決例② 追加金額を決めずに工事が先行した

道路高架橋の工事では、二次下請が未払い1,500万円を請求したのに対し、相手方が、追加工事の金額を決めずに工事が先行したことや、発注元の提示額が予想より低かったことなどを理由に争った。和解金800万円の支払いで調停が成立している。[7・「土木関係/元請負人・下請負人間等」②]

どちらも、下請の請求が全額認められたという事例ではない。また、調停で合意した金額から、一般的な減額率を導くこともできない。追加作業を始める前に、範囲・単価・金額の決め方を残す必要性が分かる事例である。

4.他業種では、どのような行為が勧告されたか

建設工事とは適用法が異なるものもあるが、金額を後から変える、価格を押し付ける、費用を受託者に負わせるという構造は参考になる。

4-1.日産自動車:割戻金として約30億円を減額

公表日:2024年3月7日/旧下請法・減額の禁止

自動車部品等の製造委託で、原価低減を目的に割戻金を差し引き、36事業者に対して総額30億2,367万6,843円を減額したとして勧告された。公表時には減額分を支払い済みとされている。[8]

名目が割戻金でも、発注時に決めた代金を受託者の責任なく減らすことが問題になる。

4-2.KADOKAWA等:通知を出しても、十分な協議がなければ買いたたきに

公表日:2024年11月12日/旧下請法・買いたたきの禁止

雑誌「レタスクラブ」の記事作成・写真撮影で、十分な協議をせず、従来の単価から約6.3〜39.4%引き下げたことなどについて、KADOKAWAと事業を承継した子会社に勧告が行われた。[9]

この事例は、支払時の天引きではなく、発注単価の決め方が問題となったもの。「来月からこの金額」と通知するだけでは、適切な価格交渉をしたことにならない。

4-3.ヨドバシカメラ:修理・設定などの委託でもリベート控除が問題に

公表日:2025年9月8日/旧下請法・減額の禁止

家電等の製造、修理、設定等の役務の委託で、リベートなどとして6事業者から総額1,349万2,930円を差し引いたとして勧告された。減額分は公表前に支払われている。[10]

製造だけでなく、修理やサービスの委託でも、取引の種類や規模要件を満たせば規制の対象になる。

4-4.シャトレーゼ:必要なときまで引き取らず、無償で保管させた

公表日:2025年3月27日/旧下請法・受領拒否、不当な経済上の利益の提供要請

包装資材・原料の製造委託で、仕上日を過ぎても商品を一部受領せず、無償で保管等させていたとして勧告された。2024年12月30日時点の未受領品は、11事業者、代金相当額2,382万9,854円とされる。[11]

直接の値引きでなくても、発注者側の都合で受託者に保管費用を負わせることが問題になり得る。

4-5.琉球倉庫運輸:合意した運賃表を使わず、荷主からの入金額を基準にした

公表日:2026年5月12日/旧下請法・減額の禁止

合意していた基本運賃表を使用せず、荷主等から自社に支払われる代金に一定率を掛けた金額を下請に支払い、16事業者から総額3,777万6,571円を減額したとして勧告された。減額分は支払われている。[12]

契約で定めた算定方法と、実際の支払額の計算が一致しているかを確認するうえで、参考になる事例である。

4-6.王子コンテナー:使わない印版・型を、費用負担なく保管させた

公表日:2026年10月22日/旧下請法・不当な経済上の利益の提供要請

長期間発注しない製品の印版・木型・金型を、保管費用を負担せず140事業者に保管させたとして勧告された。対象は計9,610個で、公表資料には不利益額の一部を含む計341万355円を支払ったと記載されている。[13]

「全額補償が済んだ」とは読まない。原資料で確認できる是正状況の範囲にとどめる必要がある。

4-7.KADOKAWA:条件を示さず、支払期日も決めていなかった

公表日:2026年6月11日/フリーランス法・取引条件の明示、報酬支払

原稿作成等を委託した113人について、業務内容・報酬・支払期日などの全部又は一部を直ちに明示しなかったこと、支払期日を定めず法定の期日までに支払わなかったことに対し勧告が行われた。[14]

2024年の買いたたきの事例とは、対象となった行為も法律も異なる。条件を曖昧なまま作業を進めること自体に、別の法的問題が生じ得る例である。

2026年に公表された勧告でも、2026年施行の取適法で処理されているとは限らない。 琉球倉庫運輸、王子コンテナーの上記事例は、公表資料が旧下請法に基づくと明記している。公表日と、問題となった取引の時期は分けて読む。

5.関係する法律を、行為ごとに整理する

5-1.民法:当初の合意と、代金請求の土台

条文内容の要点トラブルとの関係
522条申込みと承諾による契約の成立。原則として方式を問わない口頭で合意した作業方法や金額も、契約内容の検討対象になる
632条・633条仕事の完成に対する報酬と、その支払時期成果を完成させる請負契約か、何をもって完成とするかを確認する
648条・656条報酬の定めがある委任・準委任における報酬請求調査・確認など事務の遂行を受託した場合の契約構成を確認する

条文参照:[15]

調査報告書を納める契約でも、名称だけで請負・準委任が決まるとは限らない。求められる結果、業務の進め方、完成責任、報酬条件を合わせて見る。

「口約束だから無効」と決め付けるのは適切ではない。一方、契約が成立するかという問題と、法律上必要な書面・明示を行ったかという問題は別である。建設工事には建設業法の書面契約の規定があり、対象取引には取適法などの明示義務もある。[4][16]

5-2.建設業法:工事の契約、追加変更、不当に低い代金

条文主な確認事項
18条対等な立場での合意、公正な契約、誠実な履行
19条1項・2項工事内容・代金などの書面化、変更内容の書面化
19条の3第1項注文者が取引上の地位を不当に利用し、通常必要な原価を下回る代金で契約することの禁止
20条2項・6項著しく低い材料費等による見積りや、そのような見積りへの変更依頼の禁止
24条の3、24条の6元請から下請への支払に関する規定。元請の許可区分、下請の規模などで確認する

条文・改正内容参照:[17][18][19]

2024年改正の建設業法等は、2025年12月12日に完全施行された。受注者側の原価割れ契約の禁止なども盛り込まれている。ただし、受注者側の禁止には法令上の正当な理由の例外があり、単に赤字になったことから直ちに違反と決めるものではない。[17][18]

支払時期については、建設業法24条の3の「元請が支払を受けてから1か月以内」という規定と、特定建設業者についての24条の6の原則50日以内の規定を混同しない。後者には適用対象から除かれる下請の要件があり、起算点も工事の引渡しの申出等である。すべての建設工事が「検収から60日」になるわけではない。[19]

5-3.取適法:2026年からの委託取引のルール

旧下請法は改正され、2026年1月1日から取適法が施行されている。正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」である。原則として同日以降に発注する対象取引について、新しい規定を確認する。[20]

測量・設計・調査の委託で確認したい適用基準

次は、プログラム作成や運送・倉庫保管・情報処理などの区分を除く、情報成果物作成委託・役務提供委託の規模基準である。

判定ルート委託する側受託する側
資本金①5,000万円超5,000万円以下。個人を含む
資本金②1,000万円超〜5,000万円以下1,000万円以下。個人を含む
従業員数常時使用する従業員100人超常時使用する従業員100人以下。個人を含む

資本金基準又は従業員基準のいずれかを満たすか確認する。ただし、この表だけで適用は決まらず、対象となる委託類型への該当も必要である。[21]

情報処理やプログラム開発を含む場合などは、別区分になる可能性がある。別区分では3億円・300人などの基準があるため、業種名だけで上の表を当てはめない。[21]

よく問題になる禁止行為

行為現行の取適法例
支払遅延5条1項2号法定の支払期日を過ぎても支払わない
減額5条1項3号受託者の責任なく、発注後に代金を減らす
買いたたき5条1項5号通常の対価より著しく低い額を不当に決める
不当な利益の提供要請5条2項2号金銭や労務などを負担させ、利益を不当に害する
不当な変更・やり直し5条2項3号受託者の責任によらない変更ややり直しで、利益を不当に害する
協議に応じない一方的な代金決定5条2項4号費用変動等について価格協議を求められても、必要な協議・説明をせず一方的に決める

条文・運用基準参照:[22][23]

減額は、最初の代金を後から減らす行為。買いたたきは、発注時に定める価格の不当さが問題になる。金額が安いという共通点はあっても、確認する事実が異なる。

公取委Q&Aは、受託者の責任がない減額について、歩引き5%という合意を事前に契約書に書いていても問題になると説明している。また、新単価を、既に発注済みの仕事へ遡って適用することも減額の問題になる。[24・Q94〜97]

支払期日は、原則として受領日、役務提供委託では提供日から60日以内のできる限り短い期間内に定める。検査を終えた日から自由に60日を数え直せる制度ではない。手形払いの禁止など、支払手段の変更にも注意したい。[16]

一方、価格協議に応じるというルールは、受託者の希望額を必ず全額認めるという意味ではない。実質的な協議をし、受け入れられない事項について理由や根拠を説明することが求められる。[23][24・Q134]

5-4.独占禁止法:取適法の対象外でも確認する

取適法の規模要件に該当しないからといって、どんな減額でも認められるわけではない。独占禁止法2条9項5号が定める優越的地位の濫用と、同法19条の不公正な取引方法の禁止という問題が残る。

優越的地位は、巨大企業に限る話ではない。相手との取引を失うと事業に大きな支障が出るため、不利な要請も受け入れざるを得ない関係かどうかを、取引依存度や取引先変更の可能性などから総合的に判断する。[25]

ただし、「元請と下請の関係なら、すべて優越的地位の濫用」ということでもない。優越性、その利用、正常な商慣習に照らして不当な不利益であることなどの検討が必要になる。

役務の委託については、前述の検査基準の変更のほか、委託者側の予算不足による減額、追加支払を認めたのに当初額しか支払わない例などが、公取委の指針に示されている。[3]

5-5.フリーランス法:一人親方や個人技術者への委託

受託者が、従業員を使用しない個人や、代表者以外の役員も従業員もいない法人などに該当する場合は、フリーランス法も確認する。従業員を使用する一般的な調査会社に、そのまま当てはめる法律ではない。[26]

業種の限定はなく、建設業も対象になる。取引条件の明示は3条、一定の発注者による報酬支払は4条、一定の発注者が1か月以上委託する場合の減額・買いたたき等は5条というように、義務ごとの要件が異なる。[27][28]

取適法の対象外である建設工事でも、受託者等の要件を満たせばフリーランス法の確認が必要になる。この点は、一人親方への発注で見落としたくない。

6.「正当な精算」と「不当な減額」をどう分けるか

減った金額だけを見ても判断できない。例えば、次の違いがある。

場面確認すること
最初から数量確定後の精算を約束していた数量の定義、測定方法、合意単価に従った精算か
業務に要した原価が当初の想定と異なった契約が固定額か実費精算か、調整条項があるか
成果に実際の不足・不適合があった不足の内容、受託者の責任、補完方法、減額の範囲
発注者側の判断で仕様を変更した当初業務との違い、追加費用、変更合意
元請の利益が少なかった下請との契約代金を変更できる根拠があるか
別案件の価格を参考にしたい業務範囲、品質、数量、条件の違いを考慮しているか

この表は個別の契約を検討するための整理であり、一律の適法・違法判定表ではない。

受託者に責任のある不適合等について、相当な期間内に、事情に応じた相当額を減らす場面と、委託者側の都合で負担を転嫁する場面は分ける必要がある。[3]

7.認識違いを防ぐために残したい資料

後から経緯を確認できるように、契約内容、途中の変更、実施した業務、代金の計算をつなげて記録しておく。

資料確認・保存する内容
契約書、注文書、請書、見積書業務項目、数量、単価、一式・実績精算の別
仕様書、作業条件求める品質、提出物、期限、変更の手続
打合せ記録、承認メール日付、出席者、承認者、承認した範囲
作業日報、施工・作業記録実施した内容、数量、条件の変化
図面、報告書、提出資料提出した成果と改訂の履歴
受領・検査の記録提出日、受領日、指摘事項と対応
金額変更の記録理由、対象項目、算定根拠、協議の経緯

追加や変更が出た場合は、次の対応表を用意すると説明しやすい。

項目当初の条件変更・追加の内容費用・期限の扱い確認した記録
業務範囲契約で定めた内容増減した作業別途見積り等の扱い変更指示、協議記録等
提出資料当初の提出物・形式用途・形式の変更追加費用、納期の調整承認メール、改訂履歴等

後から記録をまとめる場合も、当時の資料と、現在の記憶による補足は区別しておく。

8.発注側・受注側で、協議の手順を決めておく

着手を優先する場面ほど、金額の確認が後回しになりやすい。担当者の交代で、それまでの了解が引き継がれないこともある。個人の記憶だけに頼らない進め方を決めておきたい。

場面発注側が確認したいこと受注側が確認したいこと
発注時範囲、数量、品質、除外条件を示す不明点と見積りの前提を伝える
変更が生じたとき指示内容と承認者を明確にする追加作業、費用、期間への影響を示す
検査・確認時当初の条件に沿って不足点を説明する指摘への対応と当初業務との関係を整理する
精算時変更理由と算定根拠を示す数量・単価と実施記録を照合する
担当者の交代時合意事項と未決事項を引き継ぐ未確定の金額や条件を確認する

費用について意見が分かれた場合も、まずは当初の範囲と変更点を並べ、どの部分が未決なのかを確認する。業務の完了確認と金額の協議を混同せず、双方が根拠を示して話せる状態にすることが、トラブルの予防につながる。

9.相談先は「違反の是正」と「代金の回収」を分けて選ぶ

目的・内容主な相談先注意する点
建設業法に関する違反情報の提供国交省の駆け込みホットライン、建設業許可行政庁通報だけで代金が回収される制度ではない [29]
建設工事の契約・代金トラブルの相談建設業取引適正化センター工事の請負契約が中心 [30]
建設工事の当事者間の紛争処理建設工事紛争審査会あっせん・調停・仲裁。専ら設計監理の契約などは対象外 [31]
取適法・独占禁止法に関する相談・申告公正取引委員会の相談・申告窓口委託内容、事業者規模、取引時期を整理して伝える [32]
業種をまたぐ取引の悩み、ADR取引かけこみ寺2026年から旧「下請かけこみ寺」の名称を変更 [33]
個別の未払代金請求、契約の解釈弁護士、適切なADR、裁判所の手続契約成立、業務実施、支払期日、金額を示す資料を用意する

建設工事紛争審査会は、行政上の指導監督をする機関ではない。反対に、行政への通報は、個別の請求権や回収額を確定する手続ではない。[31]

測量・地質調査などの委託で、建設工事の窓口にそのまま持ち込めるとは限らない場合は、業務内容を説明して対象を確認する。

10.最近の制度改正から見えること

建設分野では、完成後の支払だけでなく、見積条件、価格協議、追加変更の段階を適正にする方向で制度整備が進んでいる。

国交省公表の2025年度の活動結果では、1,318件・1,152事業者を調査等の対象とし、不正行為又はそのおそれが確認された768事業者に指導・助言等を行ったとしている。[34]

ただし、これはすべて「減額違反が確定した768社」という意味ではない。見積り・契約書の不備などを含む数字であり、業界全体で違反が増えたと、この資料だけで断定することもできない。

取引の途中で条件が変わる場合には、必要になった対応と費用を、その都度確認したい。契約の段階で想定できなかった事情が出たときも、どちらかが負担を抱え込む前に、変更点を共有することが必要になる。

発注側が求める品質や期限と、受注側が見積もった範囲や費用。その両方を記録に残し、担当者が替わっても確認できるようにしておく。日々の小さな確認が、完成後の大きな行き違いを減らすことにつながる。

参照資料

以下は本文で確認した一次資料。法令は改正されるため、実際の取引の発注日・行為時点の規定も確認する。PDFの「本文○頁」と、閲覧ソフトのページ番号は一致しない場合がある。

  1. 国土交通省:建設工事受注動態統計調査・調査の範囲(測量・設計・ボーリング調査等の区分)
  2. 公正取引委員会:下請法道場・初級編解説(建設工事と設計図面作成の区別。旧制度の資料)
  3. 公正取引委員会:役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針(第2の2「代金の減額」、第2の3など)
  4. 国土交通省:建設業法令遵守ガイドライン第12版・2026年1月(本文19〜22、32〜35、40〜41、44〜48頁等。訂正案内は掲載ページ参照)
  5. 国土交通省:通常必要と認められる労務費を著しく下回るおそれのある取引事例集・2026年1月5日
  6. 国土交通省:建設業取引適正化センターの相談事例(本文で紹介した相談はPDF1〜2頁目)
  7. 国土交通省:中央建設工事紛争審査会の紛争解決事例(各事件の発生年は本文で確認できないため、本記事では「最近の事件」として扱っていない)
  8. 公正取引委員会:日産自動車への勧告・2024年3月7日
  9. 公正取引委員会:KADOKAWA等への勧告・2024年11月12日
  10. 公正取引委員会:ヨドバシカメラへの勧告・2025年9月8日
  11. 公正取引委員会:シャトレーゼへの勧告・2025年3月27日
  12. 公正取引委員会:琉球倉庫運輸への勧告・2026年5月12日
  13. 公正取引委員会:王子コンテナーへの勧告・2026年10月22日
  14. 公正取引委員会:KADOKAWAへのフリーランス法に基づく勧告・2026年6月11日
  15. e-Gov法令検索:民法(522、632、633、648、656条。ブラウザで条文表示が必要)
  16. 公正取引委員会:取適法の委託事業者の禁止行為(表中の条番号に誤記が見られるため、本文の条番号は法律・運用基準とも照合)
  17. e-Gov法令検索:建設業法
  18. 国土交通省:建設業法等改正法の完全施行・2025年11月14日発表
  19. 国土交通省:建設企業のための適正取引ハンドブック第5版・2026年3月(支払期日等)
  20. 公正取引委員会:取適法施行に当たり留意いただきたい事項
  21. 政府広報オンライン:2026年1月から下請法が取適法に(規模基準・適用図)
  22. e-Gov法令検索:取適法
  23. 公正取引委員会:取適法の運用基準
  24. 公正取引委員会:取適法Q&A(Q94〜97、Q134等)
  25. 公正取引委員会:優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方
  26. 公正取引委員会:フリーランス法Q&A(対象となる事業者等)
  27. 公正取引委員会:フリーランス法・条文
  28. 公正取引委員会:2026年フリーランス法特設サイト
  29. 国土交通省:建設業法違反の駆け込みホットライン
  30. 国土交通省:建設業取引適正化センターの案内
  31. 国土交通省:建設工事紛争審査会で取り扱う事件
  32. 公正取引委員会:公式サイト(「相談・申告・情報提供・手続等窓口」から該当制度へ)
  33. 中小企業庁:取引Gメン・取引かけこみ寺への名称変更
  34. 国土交通省:2025年度の活動結果・建設Gメンの調査状況等
資料確認日:2026年10月29日。出典は各節および参照資料に記載。

温泉開発・地質調査・防災・測量分野で活用したい補助金ガイド ― 省エネ設備から経理・基幹システム、人材育成まで ―

温泉・環境調査・測量分野の補助金ガイド
SUBSIDY GUIDE · 2026

温泉開発・地質調査・防災・測量分野で使える補助金は?省エネ・経理・基幹システム・人材育成まで解説

省力化省エネDX人材育成

調査基準日:2026年11月1日

温泉開発や環境調査、測量の仕事にも、設備投資や業務改善を支援する補助金の活用余地があります。業種名だけで探すよりも、「何に投資し、どの仕事をどう変えるのか」から探すと、自社に合う制度が見えてきます。

今回は、温泉開発・環境調査・測量に加え、ボーリングや物理探査を含む地質調査、防災・減災、関連する産業資材の調達・販売、研修・人材育成といった分野で検討できる補助金・助成金を整理しました。GISなどの専門ソフトだけでなく、会計・経理、給与・勤怠、販売・受発注・在庫管理、基幹システムなど、会社全体の業務改善も対象として考えます。以下の活用例は事業内容をもとにした想定例であり、個別の事業者の申請資格や採択を確認したものではありません。

温泉開発・環境分析・測量を通じて地域を支える仕事のイメージ

温泉開発・環境分析・測量を通じて地域を支える仕事のイメージ(AI生成イラスト)

どのような分野で補助金を検討できるのか

温泉開発・設備分野には、温泉の調査・掘削・設備工事・維持管理のほか、地下水や温泉熱の利用、設備の省エネ改修などがあります。環境調査・分析分野では、水質・土壌・大気の調査や、PFAS・アスベストなどの分析、地質・防災調査が主な業務になります。

測量・建設コンサルタント分野では、地上レーザやドローンなどを使った3次元計測、GIS(地理情報システム)、森林土木、防災、補償調査などが検討の対象です。現場での計測と、その後のデータ処理・図化を一体で考えると、設備投資や業務改善の目的を整理しやすくなります。

関連する産業資材の調達・販売分野では受発注や在庫管理、研修・人材育成分野では研修運営の効率化や受講企業の職業訓練が検討テーマになります。

補助金は「自社の設備・仕組みを改善する制度」と「顧客の投資を支え、サービス提案につながる制度」の両方から検討できます。

地質調査・防災・GISでは、何を補助金の検討テーマにできるか

地質調査や防災の仕事も、設備・システム導入、技術開発、人材育成という観点から検討できます。以下は投資計画の例で、記載した機器やソフトの対象認定・登録を確認した一覧ではありません。

ボーリング調査:掘削作業や試料採取、現場記録、柱状図・報告書作成までの工程を見直し、作業を省力化する機器・データ収集システムの導入が検討テーマです。中小企業省力化投資補助金の一般型などと照合します。ただし、ボーリングマシンを購入・更新するだけで対象になるとは限りません。専用設備の仕様や構成、省力化効果、既存機との違い、車両部分等の扱いを個別に確認します。

物理探査・孔内計測:弾性波探査、電気探査、地中レーダー、物理検層などについて、計測・記録・解析の連携や自動化で現場作業と整理作業を減らす計画が考えられます。省力化投資としての適合性を確認し、新しい計測・解析技術やサービスを開発する場合は、開発型の補助金や大学等と連携するGo-Tech事業との適合性も検討します。既製の探査機器の購入と、研究開発は分けて考える必要があります。省力化投資補助金・一般型の公募要領・Go-Techの制度案内

防災・減災調査:地すべり・斜面・地下水等の観測データを遠隔収集し、点検記録やGISと連携して巡回・転記・報告の工数を減らす仕組みなどが検討例です。新しい危険度評価・監視サービスの開発は開発型の制度、既存業務の工数削減は省力化の制度というように目的を整理します。防災に関わる業務を受注していることだけで、その調査費や機器代が補助されるわけではありません。自治体等の防災事業の予算で発注される業務と、民間事業者自身が申請する補助金も区別します。省力化投資補助金の事業概要・新事業・革新的サービス開発の制度案内

GIS・地盤情報・解析ソフト:地質図、ボーリング柱状図、地盤モデル、観測データ、ハザード情報などを連携し、情報整理や図面・報告書作成を効率化する投資が検討テーマです。デジタル化・AI導入補助金を使う場合は、その製品・サービスが対象の登録ITツールであることが必要です。「GISソフトだから対象」「専門解析ソフトだから対象」とは判断できません。独自開発や機器との一体導入は、省力化や開発型の制度で検討できる場合もありますが、それぞれの経費要件に照らして判断します。登録ITツールの条件

技術者の育成:GIS、3次元地盤モデル、計測データ解析、遠隔監視などの職務に必要な訓練は、人材開発支援助成金との適合性を検討します。使用するソフト名、訓練内容、時間数、受講者の要件を確認し、通常業務の説明会や短時間の操作説明がそのまま対象になるとは扱いません。人材開発支援助成金

1.測量・分析・資材管理の省力化には「中小企業省力化投資補助金」

3次元計測とデータ処理、分析設備を組み合わせた省力化のイメージ

3次元計測とデータ処理、分析設備を組み合わせた省力化のイメージ(AI生成イラスト)

事業との相性がよい候補の一つが、中小企業省力化投資補助金の一般型です。人手不足の解消につながる、現場に合わせた設備導入やシステム構築を支援します。

例えば、測量分野では3次元計測とデータ処理を組み合わせた工程の短縮、環境分析分野では試料の前処理や測定・報告工程の自動化、資材調達・販売分野では受発注・在庫管理の省力化が検討テーマになります。公式の第4回採択一覧には、別の測量会社による高精度レーザードローン導入の事業も掲載されています。ただし、同種の機器を購入すれば採択されるという意味ではありません。第4回採択一覧

一般型の通常の補助率は中小企業で2分の1、小規模事業者等で3分の2。通常上限は従業員規模により750万~8,000万円で、大幅賃上げの特例では最大1億円です。省力化や生産性向上、賃上げなどの要件があり、単なる買替えとは区別して計画を立てる必要があります。

第8回は10月16日に終了し、第9回は11月上旬の公募開始、12月上旬の申請受付開始、12月下旬の締切が予定されています。新しい要領の公開後に条件を再確認したい制度です。省力化投資補助金・一般型公式サイト

2.経理ソフト・給与・販売管理・基幹システムにも「デジタル化・AI導入補助金」

社内の業務を整えるなら、デジタル化・AI導入補助金2026も候補です。通常枠は、業務効率化につながる登録済みのソフトウェアやクラウドサービスなどを支援します。専門部門で使うソフトに加え、経理・総務・営業などの管理業務も検討できます。公式の業務プロセスには「会計・財務・経営」「総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務」「供給・在庫・物流」などが含まれています。対象業務プロセスの公式案内

会計・経理:仕訳入力、経費精算、請求・入金管理、債権債務管理などを連携し、二重入力や照合作業を減らす仕組みが検討例です。会計ソフトの導入やクラウドへの移行も、登録ツールと申請条件を満たすかを確認します。

給与・人事・勤怠:現場からの勤怠入力、休暇申請、給与計算、人事情報の管理などを連携し、毎月の集計・転記を効率化する仕組みが検討例です。

販売・受発注・在庫管理:見積から受注、仕入、在庫、納品、請求までをつなぎ、資材の手配や売上管理の手作業を減らす仕組みが検討例です。

基幹システム・ERP:案件・原価・販売・購買・在庫・会計などの情報を統合し、部門をまたぐ二重入力や集計作業を減らす投資が検討テーマになります。調査・測量・設備工事などの技術サービスでも、現場の実績や外注費を案件ごとの原価・請求に結び付ける改善を考えられます。基幹システムという名称だけで対象になるわけではなく、導入する製品・機能・経費が登録内容や公募要領に合うかを確認します。

通常枠の補助額は5万~450万円で、機能の業務プロセス数などにより区分されます。補助率は原則2分の1で、一定の賃金条件を満たす場合は3分の2です。通常枠の公式案内

注意したいのは、任意のソフトや独自開発システムがすべて対象になるわけではないことです。会計・給与・基幹システムも、GIS・点群処理・分析管理などの専門ソフトも、対象となる登録ツールかを個別に確認します。独自開発や大規模な改修、保守・更新費だけの支出が一律に補助されるわけではありません。通常枠で測量用ドローンや一般的なパソコンの購入が補助されるわけでもありません。登録ITツールの条件

公式スケジュールでは、通常枠などの7次締切が2026年12月1日17時と案内されています。公式スケジュール

3.調査データや顧客情報を守る「セキュリティ対策推進枠」

測量・環境調査のデータ、土地や建物に関する情報、顧客情報などを扱う事業では、セキュリティ投資も検討に値します。

デジタル化・AI導入補助金のセキュリティ対策推進枠は、指定の「サイバーセキュリティお助け隊サービス」のうち、事務局に登録されたサービスの導入を支援します。補助額は5万~150万円、中小企業の補助率は2分の1、小規模事業者は3分の2です。任意のセキュリティ製品や、ISO認証取得費用全般を補助する制度ではありません。セキュリティ対策推進枠・最新の日程

4.空調・ボイラなどの更新には「省エネ・非化石転換補助金」

事務所や分析施設の空調、顧客の温浴施設で使うボイラ・給湯設備などには、国の省エネ・非化石転換補助金が候補になります。

設備単位型の従来枠では、指定の高効率設備への更新について、補助率3分の1以内、上限1億円、下限30万円とされています。別のGX枠では補助率や上限が異なるため、どの枠が合うかの確認が必要です。また、従来枠では据付工事費などが対象外で、工事一式に補助率を掛けて計算することはできません。4次公募要領

設備単位型の4次公募は2026年10月30日に終了しました。5次公募の詳細は今後公表すると案内されており、現時点では次回に向けた準備候補です。設備単位型・公式公募ページ

5.温泉開発・設備分野と関わりの深い「温泉熱・地中熱」の支援

温泉施設で熱交換器やヒートポンプの活用を検討するイメージ

温泉施設で熱交換器やヒートポンプの活用を検討するイメージ(AI生成イラスト)

業種とのつながりが特に深いのが、環境省の「再エネ等熱利用設備導入事業」です。

この制度には、温泉熱・地中熱などを利用する設備導入の区分と、温泉供給設備の更新時に省エネ設備などを導入する区分があります。例えば、温泉熱を給湯や暖房に利用する設備や、温泉供給の効率改善を図る改修が検討テーマになります。対象となるB・C区分の補助率は2分の1、上限は各年度1億円です。公募要領

主な申請者として想定されるのは設備を導入・所有する温泉施設や事業者です。温泉の調査・設備工事などを行う事業者にとっては、顧客の設備投資を調査・設計・施工などで支える提案につながる可能性があります。通常の温泉掘削や維持管理の費用が、すべて補助される制度ではありません。

2026年度の2次公募は7月16日に終了しています。次回以降の実施・条件は未確定です。実施団体の公募情報・環境省の温泉熱活用支援

6.石川県・金沢市の省エネ、太陽光、DX支援も確認

地域の制度も見逃せません。

石川県の省エネ設備等導入支援事業は、省エネ・再エネ設備の導入に補助率2分の1、上限600万円。空調と合わせた遮熱・断熱工事には別途上限200万円が設定されています。県内事業所での投資や環境ISO登録・省エネ診断等の条件があります。2026年の公募は4月17日で終了しており、次回の実施は正式発表を待つ必要があります。石川県の公式案内

金沢市の「事業者用太陽光発電設備等重点対策加速化事業補助金」は、太陽光が1kW当たり6万円、上限1,200万円。蓄電池は条件に応じて1kWh当たり最大5万円、上限250万円です。2026年度の交付申請期限は11月30日で、予算に達すると受付終了となります。10月27日時点では予算残額が公表されていますが、申請時点の残額を市に確認します。自家消費率50%以上、FIT・FIP認定を受けないことなどの条件があり、蓄電池単独の申請はできません。金沢市の公式案内・制度チラシ

また、金沢市AI・DX推進支援事業補助金は、1年目の計画策定と2年目の導入を組み合わせた支援です。2026年度の計画策定は補助率3分の2、上限150万円ですが、募集は5月22日に終了しています。2年間の取組みが必須で、翌年度の導入支援だけを誰でも利用できる制度とは異なります。金沢市AI・DX推進支援事業補助金

7.新しい分析・測量サービスの開発には、開発型の補助金

既存業務の効率化を超えて、新しいサービスを事業化するなら「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が候補になります。2026年度は制度変更があり、従来のものづくり補助金の名称だけで探すと、古い情報を参照してしまうおそれがあります。

検討テーマとしては、環境分析技術を生かす新サービスや、計測・GIS技術を活用した新しいインフラ管理サービスなどが考えられます。すでに提供しているサービスを、そのまま「新事業」として申請することはできません。

革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠があり、技術的革新性や新市場への進出など、枠ごとに目的が異なります。第1回は2026年10月30日に受付終了しています。制度公式サイト・中小機構による枠の比較

大学や公設試験研究機関と組んで研究開発する場合は、Go-Tech事業も中長期の候補です。通常枠では最大3年間、合計9,750万円以内の支援がありますが、研究開発の共同体が必要で、通常の設備更新向けではありません。2026年度公募は4月17日で終了しています。Go-Techの制度案内・2026年度公募期間の自治体案内

8.人材育成には「人材開発支援助成金」。研修を提供する側にも関連

設備やシステムを使いこなす人材の育成には、人材開発支援助成金が候補です。事業展開等リスキリング支援コースでは、新事業やDX・GXなどに必要な訓練を支援し、中小企業の訓練経費助成率は75%です。訓練方法や時間、受講者、費用負担などの要件・上限があり、一般的な短時間のセミナーを受ければ利用できるわけではありません。厚生労働省の制度案内・2026年8月改正版パンフレット

研修・人材育成分野では、顧客企業が自社の従業員を育成する際の制度として検討できます。ただし、研修を提供する事業者が、その提供だけを理由に助成金を受け取る仕組みではありません。対象となる講座・訓練機関の条件は個別に確認する必要があります。人材開発支援助成金には、親子会社や代表者が共通する会社など、申請者と密接な関係にある教育訓練機関へ支払う費用を対象外とする規定があります。グループ内研修を外部研修扱いにして助成を受けられるとは考えず、契約前に労働局へ確認する必要があります。支給要領の関係会社等に関する規定

9.顧客への提案に生かせるアスベスト調査支援、被災設備の復旧支援

環境調査では、自治体のアスベスト調査・除去の支援も関連します。建物の所有者などが申請し、調査会社はサービス提供者になる形です。例えば福井市では、条件を満たす吹付けアスベストの分析調査について、税を除く調査費用を上限25万円まで支援しています。対象建物・建材、受付状況、分析機関の条件を確認する必要があり、解体工事の事前調査全般が補助されるわけではありません。厚生労働省の補助制度解説・福井市の制度

石川県なりわい再建支援補助金も、被災した事業用施設・設備がある場合には確認したい制度です。中小企業等では原則補助率4分の3、上限15億円ですが、被災設備の復旧を支援するもので、一般的な増設や買替えの補助金ではありません。利用にあたっては、対象災害による被害と、復旧する施設・設備が補助要件を満たすかを確認します。県内で事業をしていることや復興関連業務を受注していることだけでは対象になりません。石川県の公式案内

補助金選びは、会社ごとの投資計画から

地質調査・測量・環境分析の工程には省力化、経理・給与・販売管理・基幹システムなどにはデジタル化、事業所や顧客施設には省エネ、研修・人材育成には職業訓練の支援という検討の道筋があります。現場の専門業務と、会社を支える管理業務の両方から投資計画を整理することが大切です。

ただし、グループ会社であっても、申請する法人、設備の所有者、費用を支払う会社を明確にすることが必要です。制度によっては株主構成による対象制限や、グループを同一事業者とみなす扱い、関連会社への発注に関する制限があります。

まず、自社で更新したい設備と改善したい仕事を書き出し、導入前後の作業時間や電力・燃料使用量、提供サービスの変化を整理する。そのうえで公募要領を照合すると、補助金を使う目的が明確になります。

※金額・日程は2026年11月1日確認時点です。終了した公募の条件が次回も続くとは限りません。原則として契約・発注・着工前に条件を確認し、交付決定の前に着手しないことが必要です。事前着手の例外や補助金の併用可否、支払い・実績報告の期限は制度ごとに確認してください。

出典・公式資料一覧

各制度の対象条件・補助額・募集状況は、本文中のリンクと以下の公的機関・実施団体の資料を参照しています。情報の確認日は2026年11月1日です。

  1. 省力化投資補助金・一般型の公募要領
  2. Go-Techの制度案内
  3. 省力化投資補助金の事業概要
  4. 制度公式サイト
  5. 登録ITツールの条件
  6. 厚生労働省の制度案内
  7. 第4回採択一覧
  8. 省力化投資補助金・一般型公式サイト
  9. 通常枠の公式案内
  10. 最新の日程
  11. セキュリティ対策推進枠
  12. 4次公募要領
  13. 設備単位型・公式公募ページ
  14. 公募要領
  15. 実施団体の公募情報
  16. 環境省の温泉熱活用支援
  17. 石川県の公式案内
  18. 金沢市の公式案内
  19. 制度チラシ
  20. 金沢市AI・DX推進支援事業補助金
  21. 中小機構による枠の比較
  22. 2026年度公募期間の自治体案内
  23. 2026年8月改正版パンフレット
  24. 支給要領の関係会社等に関する規定
  25. 厚生労働省の補助制度解説
  26. 福井市の制度
  27. 石川県の公式案内

イラストについて

掲載イラスト3点は本記事向けにAIで生成した概念的なイメージです。特定の会社・施設・人物、実際の補助対象設備、採択事例を表したものではありません。設備の配置や配管の描写は設計図ではありません。

制度情報の確認日:2026年11月1日 | 本記事は分野別の制度紹介です。

建設コンサル・地質・測量の入札に強い資格・認定と取得方法|営業所・OB採用・具体的な配点例まで

熊本県の建設コンサル・地質・測量会社の業績を比較|売上・原価・販管費・利益率【2026年10月版】

2026年10月16日確認/国交省企業要覧:10月2日更新

熊本県の建設コンサル・地質・測量会社の業績を比較|売上・原価・販管費・利益率【2026年10月版】

熊本県に主たる営業所を置く86社について、公開された決算情報を並べた。売上規模だけでなく、売上原価、販管費、営業利益、純利益、自己資本比率まで比較する。熊本ならではの災害復旧・砂防事業、道路整備の予算もあわせて見ていく。

掲載86社、財務比較集計は84社。集計対象84社の売上合計は282.70億円。国交省の掲載値に不整合がある2社は参考掲載とし、区分別集計から除いた。県内の市場規模を示す数字ではない。

1.対象と計算方法

財務データは国土交通省の建設関連業企業要覧の2026年10月2日更新版を使用。建設コンサルタンツ協会の熊本県本社12社、熊本県地質調査業協会の県内本社正会員18社、熊本県測量設計コンサルタンツ協会の71社と照合した。重複加入は建コン協会、地質協会、測量協会の順に1社だけ掲載し、12社・16社・58社の計86社となった。

これは主業種による区分ではなく、協会名簿による整理区分。たとえば八洲開発、コンサルハマダは地質協会にも加入しているが建コン協会に、東亜建設コンサルタント、ホープ建設コンサルタントは測量協会にも加入しているが地質協会にまとめた。地質協会の県外本社会社の熊本支店と準会員は対象外としている。

企業要覧全体で主たる営業所が熊本県内の登録を数えると、建設コンサルタント92、地質調査24、測量254登録。複数業種の登録を持つ会社や個人事業者を含むので、合計370登録を会社数とは読めない。今回の86社も県内全事業者の網羅ではない。

比較しているのは会社全体の財務。熊本県内だけ、測量部門だけ、地質部門だけの売上・利益ではない。各社の決算期も異なるため、同じ年度をそろえた比較ではない。

売上原価=売上高−売上総利益。原価率=売上原価÷売上高。販管費率=販管費÷売上高。営業利益率=営業利益÷売上高。純利益率=当期純利益÷売上高。自己資本比率=純資産合計÷資産合計(簡便法)。金額は円単位で計算し、表では億円・小数第2位、比率は小数第1位に丸めた。

区分別の「加重」は対象会社の金額合計を売上合計で割った値。「中央値」は会社ごとの営業利益率の中央の値。財務は原則として区分に対応する企業要覧(建コン・地質・測量)を採用した。営業利益は掲載値を使用し、独自に符号や金額を修正していない。

財務集計から除いた2社
興栄測量設計:売上総利益51,411千円−販管費60,409千円=−8,998千円に対し、掲載営業利益は+8,999千円で整合しない。
福永測量設計:売上高0円に対して売上総利益69,894千円が掲載されており、売上原価と売上比率を算出できない。
両社は表に掲載値を参考表示し、財務比較の合計・中央値からは除外した。原因は資料だけでは特定できず、決算書等での確認が必要。売上高0円を実際の無収入と判断していない。

2.区分別の業績

区分掲載 / 集計社数売上計(億円)原価率(加重)販管費率(加重)営業益率(加重)営業益率(中央値)営業赤字社数
建コン協会12 / 12108.7856.8%25.5%17.7%10.9%1
地質協会16 / 1653.7966.0%27.2%6.8%4.8%4
測量協会58 / 56120.1356.9%33.5%9.6%3.9%16

建コン協会12社は、売上加重の営業利益率が17.7%、中央値10.9%。売上が大きく利益率も高い会社が、区分全体の加重平均を押し上げている。地質協会16社は加重6.8%、中央値4.8%となった。

測量協会区分には、設計や農業土木、調査、補償などを行う会社もある。「測量協会に入っているから測量専門」「地質協会区分だから売上の全額が地質調査」とは判断できない。

3.会社別財務一覧:86社

各区分内は掲載売上高の大きい順。金額単位は億円。スマートフォンでは表を横にスクロールできます。「†」は掲載値に不整合がある参考掲載会社。福永測量設計は順位を付けず末尾に示した。決算期間は今回の掲載86社はいずれも12か月だった。

建コン協会:12社

売上順会社名決算日売上原価販管費営業益営業益率純益純益率自己資本比率主たる営業所
1株式会社水野建設コンサルタント2026-01-3126.5114.453.738.3331.4%6.4624.4%73.0%熊本市
2株式会社ARIAKE2025-12-3122.0010.375.845.8026.4%4.0018.2%56.8%熊本市
3株式会社九州開発エンジニヤリング2025-11-3016.9710.654.222.1112.4%1.569.2%74.5%熊本市
4八洲開発株式会社2026-03-316.524.091.750.6810.4%0.7611.6%89.0%熊本市
5株式会社ワコー2026-03-316.124.022.17-0.07-1.2%-0.08-1.3%59.7%熊本市
6株式会社大進コンサルタント2026-04-305.854.071.540.244.1%0.244.2%63.8%熊本市
7株式会社興和測量設計2025-05-315.413.411.610.387.1%0.346.4%82.9%熊本市
8株式会社熊本建設コンサルタント2026-05-314.672.731.790.143.1%0.122.6%94.1%熊本市
9株式会社シー・バス・プランニング2026-03-314.101.542.100.4711.4%0.4811.8%40.9%熊本市
10西日本測量設計株式会社2025-05-314.032.541.010.4711.7%0.358.6%45.8%熊本市
11株式会社コンサルハマダ2026-02-283.512.201.160.154.4%0.185.2%91.4%熊本市
12株式会社タイセイプラン2026-02-283.091.760.780.5517.9%0.4213.6%87.0%熊本市

地質協会:16社

売上順会社名決算日売上原価販管費営業益営業益率純益純益率自己資本比率主たる営業所
1株式会社高野組2025-06-3015.7112.372.870.483.0%0.161.0%40.1%八代市
2株式会社アバンス2026-04-305.793.441.221.1319.5%0.8013.7%68.1%熊本市
3株式会社東亜建設コンサルタント2025-06-305.003.831.160.010.2%0.112.2%45.7%熊本市
4株式会社アイエステー2025-07-314.922.401.610.9118.6%0.6112.5%66.5%熊本市
5株式会社ホープ建設コンサルタント2025-06-303.182.091.12-0.03-0.8%-0.00-0.1%81.8%熊本市
6南九調査開発株式会社2025-12-312.901.790.920.186.3%0.134.5%42.1%熊本市
7株式会社双葉工務店2025-08-312.621.800.810.010.4%0.031.2%90.6%熊本市
8千代田工業株式会社2026-04-302.461.130.700.6325.5%-1.09-44.0%47.5%熊本市
9肥後地質調査株式会社2026-05-312.271.510.570.188.1%-0.24-10.8%87.9%熊本市
10株式会社中央土木コンサルタント2025-09-302.101.090.880.146.7%0.125.6%86.3%熊本市
11株式会社熊本総合技術コンサルタント2026-02-281.770.850.780.137.6%0.127.0%90.3%熊本市
12株式会社三和地質コンサルタント2025-09-301.711.170.470.074.2%0.063.3%59.4%熊本市
13株式会社九州地盤コンサルタント2025-10-311.090.680.350.065.5%0.076.6%75.0%熊本市
14熊本地質工業株式会社2025-11-300.910.380.55-0.02-2.0%-0.02-2.3%73.5%熊本市
15日研工業株式会社2025-08-310.710.410.37-0.08-11.0%0.022.9%53.2%熊本市
16陸コンサルタント株式会社2025-09-300.660.580.27-0.18-28.1%-0.18-28.1%11.8%熊本市

測量協会:58社

売上順会社名決算日売上原価販管費営業益営業益率純益純益率自己資本比率主たる営業所
1アジアプランニング株式会社2026-03-3113.206.571.395.2439.7%4.0230.4%64.2%熊本市
2株式会社熊本県弘済会2026-03-317.206.080.910.223.0%0.233.2%85.1%熊本市
3株式会社十八測量設計2026-05-316.184.251.530.406.5%0.254.0%91.8%熊本市
4東和測量設計株式会社2025-10-314.510.653.360.5011.0%0.368.1%89.6%熊本市
5株式会社建設プロジェクトセンター2026-05-314.172.521.300.368.5%0.327.6%69.2%熊本市
6株式会社旭技研コンサルタント2025-07-314.142.760.820.5713.7%0.5212.6%81.6%熊本市
7株式会社スペック2025-05-313.650.522.870.267.0%0.5013.7%22.2%熊本市
8株式会社ヒライ・コンサルタント2026-05-313.592.170.780.6417.7%0.6016.6%47.2%熊本市
9旭測量設計株式会社2025-08-313.502.680.700.123.5%0.082.2%80.5%熊本市
10株式会社第一コンサルタント2025-08-313.412.231.140.041.1%0.072.1%29.9%熊本市
11株式会社三浜測量設計社2025-06-303.302.180.980.144.4%0.103.1%69.8%熊本市
12カンセイコンサルタント株式会社2025-06-303.251.611.010.6319.3%0.4513.8%84.9%熊本市
13三共コンサルタント株式会社2025-12-313.151.591.530.041.3%0.092.8%48.8%熊本市
14株式会社三和測量設計社2026-04-302.921.651.110.165.6%0.082.7%92.2%熊本市
15双建コンサルタント株式会社2026-05-312.871.700.590.5720.0%0.3913.6%69.8%熊本市
16トラストコンサルタント株式会社2025-08-312.661.710.930.020.9%0.020.7%72.7%熊本市
17株式会社九英2026-04-302.621.620.860.145.3%0.155.8%85.9%熊本市
18株式会社新興クリエイト2025-06-302.601.561.10-0.06-2.4%-0.07-2.5%32.3%熊本市
19株式会社和調査設計2026-05-312.461.441.04-0.01-0.5%0.031.1%68.7%熊本市
20株式会社長田測量設計2025-11-302.431.720.640.072.8%0.072.8%65.8%熊本市
21株式会社河津測量設計2025-06-302.421.400.880.145.8%0.051.9%79.0%熊本市
22株式会社ウラタ・シビル・コンサルタント2026-03-312.310.881.120.3113.3%0.2510.7%47.1%熊本市
23株式会社大平総合プラン2026-04-302.101.310.520.2713.1%0.2411.3%54.8%熊本市
24株式会社八千代コンサルタント2026-01-312.001.150.800.052.6%0.062.9%67.8%熊本市
25株式会社オークスコンサルタント2025-09-301.991.440.520.031.6%0.199.5%91.5%熊本市
26株式会社フジ建設コンサルタント2025-09-301.931.050.89-0.01-0.6%0.021.2%44.6%熊本市
27株式会社ワールドコンサルタント2025-07-311.801.420.42-0.03-1.6%0.042.4%46.2%熊本市
28株式会社栄泉測量設計2025-09-301.691.130.69-0.14-8.1%-0.13-7.7%78.6%熊本市
29株式会社第一エンジニアリング2025-09-301.610.780.640.1811.4%0.1610.1%87.1%熊本市
30株式会社アイエムプラン2025-10-311.570.970.430.1610.0%0.138.5%42.2%熊本市
31株式会社祐水コンサルタント2025-07-311.530.820.510.1912.6%0.138.4%30.4%熊本市
32株式会社都市開発コンサルタント2025-06-301.470.650.84-0.02-1.5%0.053.4%91.3%熊本市
33株式会社富友測量設計2025-11-301.290.650.570.064.4%0.064.3%60.2%熊本市
34株式会社コンサルユニックス2025-06-301.280.310.410.5644.0%0.2720.9%96.7%熊本市
35株式会社大和建設コンサルタント2026-03-311.250.910.240.107.8%0.086.2%18.4%熊本市
36株式会社パブリックコンサルタント2025-11-301.200.680.490.032.4%0.000.0%8.3%熊本市
37興栄測量設計株式会社 †2025-08-311.170.660.600.09 †7.7%0.011.0%24.8%熊本市
38株式会社九州技研コンサルタント2026-03-311.050.600.440.011.2%0.000.4%29.6%熊本市
39株式会社タヒラ測量設計2025-05-310.930.550.52-0.13-13.9%-0.14-14.5%96.8%熊本市
40株式会社三晃建設コンサルタント2025-09-300.880.620.47-0.21-23.3%-0.11-12.2%37.6%熊本市
41株式会社日田プランニング2025-06-300.860.450.42-0.01-1.1%-0.06-7.3%-65.2%熊本市
42株式会社シビコン2025-09-300.810.470.38-0.05-5.6%-0.06-7.0%20.9%熊本市
43株式会社アイコンサルタント2025-08-310.690.400.34-0.05-6.6%-0.04-5.2%79.6%八代市
44有限会社ケルン・コンサルタンツ2026-05-310.690.340.280.0710.4%0.0811.6%50.6%熊本市
45株式会社宮原測量設計2026-03-310.660.300.49-0.13-20.0%-0.10-14.6%-32.8%人吉市
46有限会社興南測量設計事務所2026-03-310.630.000.490.1422.4%0.1422.3%39.5%八代市
47株式会社エー・シー・イ2026-06-300.610.330.200.0813.4%0.0914.1%89.4%熊本市
48株式会社ハイタカ2026-04-300.570.430.090.058.5%0.059.2%51.6%熊本市
49株式会社洲崎建設コンサルタント2025-08-310.460.150.210.1022.0%0.0816.7%88.5%熊本市
50有限会社地域開発設計社2025-10-310.440.260.32-0.15-33.8%-0.14-32.2%-0.5%熊本市
51株式会社光進測量社2025-10-310.390.180.150.0513.6%0.0614.7%92.1%熊本市
52株式会社創建技術コンサルタント2025-06-300.330.050.280.000.7%0.000.0%53.5%熊本市
53株式会社カネカ測量設計コンサルタント2026-01-310.250.100.29-0.14-56.0%-0.12-49.3%70.7%宇城市
54株式会社工建コンサルタント2025-08-310.220.180.040.000.5%0.000.0%80.8%熊本市
55株式会社高木測量設計2025-09-300.190.140.09-0.04-20.7%-0.03-17.4%-120.8%阿蘇市
56株式会社中央測量設計2025-06-300.130.000.110.019.9%0.017.2%-12.5%熊本市
57有限会社谷山測量設計事務所2025-12-310.060.060.06-0.05-87.2%-0.05-75.2%-858.1%熊本市
—株式会社福永測量設計 †2026-05-31— †—0.710.00 †—0.00—4.4%熊本市

† 興栄測量設計の営業利益率は、掲載営業利益÷掲載売上高の参考計算。売上総利益と販管費との差額に基づく率とは一致しない。福永測量設計の売上高欄は原資料の0円を有効な比較値として扱わず「—」とした。その他の金額は原資料の掲載値。丸めにより表示額の差引きが一致しない場合がある。

4.数字から見える熊本の会社の特徴

建コン協会の売上上位は、水野建設コンサルタント、ARIAKE、九州開発エンジニヤリング

建コン協会区分の上位は、水野建設コンサルタント(売上26.51億円、営業益率31.4%)、ARIAKE(売上22.00億円、営業益率26.4%)、九州開発エンジニヤリング(売上16.97億円、営業益率12.4%)。売上順と利益率順は一致しない。

地質協会区分の上位は、高野組(売上15.71億円、営業益率3.0%)、アバンス(売上5.79億円、営業益率19.5%)、東亜建設コンサルタント(売上5.00億円、営業益率0.2%)。売上順と利益率順は一致しない。

測量協会区分の上位は、アジアプランニング(売上13.20億円、営業益率39.7%)、熊本県弘済会(売上7.20億円、営業益率3.0%)、十八測量設計(売上6.18億円、営業益率6.5%)。売上順と利益率順は一致しない。

水野建設コンサルタントは道路・河川の測量・設計、アセットマネジメント、建築補償などを紹介している。ARIAKEも建設コンサルタント、測量、補償、不動産鑑定、文化財調査などを扱う。上位企業の売上は、こうした複数の事業を含む会社全体の数字として読む必要がある。水野建設・会社案内/ARIAKE・会社概要

測量協会区分のアジアプランニングは、農村計画、農業土木設計、測量・ICT、施設の維持管理などを公式サイトで紹介している。地質協会区分の高野組は土木・舗装等も手がける。協会別に表を分けても、各社の事業構成が同じになるわけではない。アジアプランニング・技術情報/高野組・会社情報

原価と販管費の配分には、会計処理の違いもある

営業利益は、売上から原価と販管費を差し引いた残り。人件費や外注費をどちらへ計上するかは、会社の事業や会計処理によって違う。販管費率の高さだけで非効率とは判断できない。利益率が高い理由も、今回の1期の決算だけからは特定できない。

自己資本比率は財務の蓄積を見る目安になるが、資金繰りそのものではない。借入返済、手元資金、売掛金の回収、受注残などとあわせて見る必要がある。技術力や社員の待遇も、この表の数値だけでは評価できない。

5.熊本県の予算:災害復旧・砂防・道路整備が仕事の背景

県の令和8年度当初予算の参考資料では、土木部の予算額は1,092億84百万円(前年度1,076億86百万円)。熊本地震、令和2年7月豪雨、令和7年8月豪雨からの復旧・復興と、国土強靱化、将来の発展に向けた社会基盤整備を掲げている。県の参考資料・冊子94~95頁

項目掲載予算額資料の内容
令和2年7月豪雨関連・砂防施設の整備14億70百万円砂防堰堤等の整備による再度災害の防止
令和7年8月豪雨関連・公共土木施設の災害復旧112億58百万円被災道路・河川等の災害復旧
令和7年8月豪雨関連・再度災害防止の取組み28億50百万円改良復旧、砂防施設整備等
河川・砂防事業431億61百万円水害等の被害を防止する事業
道路施設の保全148億95百万円道路・橋りょうの老朽化対策等
道路ネットワークの整備229億1百万円幹線道路や熊本天草幹線道路等の整備

上表は資料中の施策項目の抜粋。同じ事業が複数の政策説明に含まれ得るため、各行を足して総額とはしていない。「河川・砂防事業」は河川を含み、砂防だけの金額ではない。

資料には半導体産業の集積に伴う基幹道路整備も掲載されている。こうした事業は、測量、地質調査、道路・橋梁・砂防の設計、点検などの発注背景になり得る。ただし、工事を含む事業予算が、そのまま調査設計会社の受注額になるわけではない。今回の各社決算と時期も異なり、予算だけから売上や利益の増減を説明することはできない。

6.入札価格と会社の利益率は別に見る

熊本県は2024年6月1日以降の公告・指名通知から、低入札価格調査基準価格と最低制限基準価格の算定式を改定している。公表された改正概要の主要3業務は次のとおり。県の改正概要

業務基準価格の算定式(改正概要)予定価格に対する範囲
測量直接測量費+測量調査費+諸経費×0.5060~82%
土木関係建設コンサルタント直接人件費+直接経費+その他原価×0.90+一般管理費等×0.5060~81%
地質調査直接調査費+間接調査費×0.90+解析等調査業務費×0.80+諸経費×0.503分の2~85%

この範囲は落札率の実績や会社の利益率を示すものではない。積算上の一般管理費等と、会社決算上の販管費も別の区分となる。公共土木施設の維持管理業務は改正概要のこの表の対象外なので、点検等の個別業務には適用要領と公告の確認が必要。

総合評価落札方式・プロポーザル方式については、2026年6月1日以降の公告・指名通知に適用するガイドラインが公開されている。個別の受注判断では、価格のほか、技術提案、参加資格、配置技術者、照査、外注範囲、成果修正や協議回数まで確認したい。県の最新ガイドライン掲載ページ

参考にした公開情報

  1. 国土交通省・建設関連業の登録業者に関する情報提供システム(2026年10月2日更新)
  2. 建設コンサルタンツ協会・会員企業(熊本県)
  3. 熊本県地質調査業協会・正会員一覧
  4. 熊本県測量設計コンサルタンツ協会・会員企業一覧(全4ページ)
  5. 熊本県・令和7年度2月補正予算/令和8年度当初予算 参考資料(冊子94~95頁、PDF95~96枚目)
  6. 熊本県・低入札価格調査基準価格及び最低制限基準価格の計算式の改正
  7. 熊本県・委託業務の総合評価・プロポーザルガイドライン(2026年6月1日改定)
  8. 水野建設コンサルタント・会社案内
  9. ARIAKE・会社概要
  10. アジアプランニング・技術情報
  11. 高野組・会社情報

企業要覧の財務は、登録書面から一部を抜粋した国交省の二次情報を加工したもの。建設コンサルタント・地質調査・測量の各YOURANシートから抽出した。情報提供対象外の項目に入る一律のゼロは使用せず、欠損や不整合を推定で埋めていない。国交省データは更新により上書きされるため、後日のリンク先と本記事の数値が異なる場合がある。確認日:2026年10月16日(日本時間)。

兵庫県の建設コンサル・地質・測量会社を販管費・売上原価・利益構造で比較【2026年10月版】

2026年10月12日確認・企業要覧は10月2日更新

兵庫県の建設コンサル・地質・測量会社を販管費・売上原価・利益構造で比較【2026年10月版】

兵庫県内に主たる営業所を置く協会会員を中心とした123社について、売上・原価・販管費・利益・自己資本を同じ式で比較した。県内の会社でも、調査・設計中心の会社と施工を兼ねる会社では、財務の見え方が違う。会社別の数字とあわせて、砂防事業の背景や入札制度も整理する。

集計対象は123社。建コン協会13社、地質協会2社、測量協会107社に、追加掲載の関西地質1社を加えた。売上合計は289.38億円。協会の重複加入と支店の重複を除いた集計であり、兵庫県の市場規模そのものを示す数字ではない。

1.対象と計算方法

財務データには、国土交通省の建設関連業企業要覧(2026年10月2日更新)を使用した。建設コンサルタンツ協会、関西地質調査業協会、兵庫県測量設計業協会の公開名簿と照合し、主たる営業所が兵庫県内にある会社を抽出した。

区分は主業種の判定ではなく、協会名簿による整理区分。重複する会社は建コン協会、地質協会、測量協会の順に一度だけ掲載した。西播設計は地質協会にも掲載されているが建コン協会へ、阪神測建も建コン協会へまとめた。県外本社の支社・営業所は対象外とし、同じ会社が複数支店で名簿に載っている場合は測量登録番号で統合した。法人の損益情報を比較するため、個人事業者は除いた。

この方法で、建コン協会13社、地質協会2社、測量協会107社の計122社となった。兵庫県測量設計業協会の名簿で読み取れた測量登録番号は122件で、企業要覧ではうち1件が個人事業者だった。残る法人のうち他区分と重複する会社を除いて107社を表示している。

追加掲載:関西地質株式会社。上記の協会名簿から抽出した122社とは別に、国交省の地質調査業企業要覧に掲載されている関西地質を1社追加し、記事全体の対象を123社とした。協会会員としての区分には含めず、「追加掲載(地質調査)」として表示した。

一方、企業要覧で主たる営業所が兵庫県内の登録を数えると、建設コンサルタント89、地質調査16、測量427の計532登録となる。複数登録を持つ会社があるため、532を会社数と読むことはできない。協会は任意加入で、今回の123社も全登録事業者を代表する標本ではない。

財務値は会社全体の数字。兵庫県内だけの売上、測量部門だけの売上、砂防業務だけの利益ではない。企業要覧は登録書面から一部を抜粋した二次情報で、決算日や決算期間も各社で異なる。

売上原価=売上高−売上総利益。原価率=売上原価÷売上高。販管費率=販管費÷売上高。営業利益率=営業利益÷売上高。純利益率=当期純利益÷売上高。自己資本比率=純資産÷総資産。

本記事の自己資本比率は元記事と同じく純資産合計を使う簡便な計算。区分別の「加重」は各社の金額を合算してから売上合計で割り、「中央値」は会社ごとの率を並べた中央の値。円単位で計算し、表示は億円で小数第2位、比率で小数第1位に丸めた。表示額だけの差し引きでは0.01億円程度のずれが出る場合がある。

※扇コンサルタンツは2025年9月1日~12月31日の4か月、コスモは2026年4月1日~6月30日の3か月の掲載決算。年換算せずそのまま掲載した。通常の年間売上との規模比較には注意が必要。

2.兵庫県の業界構造:123社の集計

区分社数売上計
(億円)
原価率
(加重)
販管費率
(加重)
営業益率
(加重)
営業益率
(中央値)
建コン協会13119.4159.6%26.1%14.3%8.3%
地質協会22.5148.4%50.4%1.3%1.6%
測量協会107166.9966.7%29.2%4.1%1.5%
追加掲載(地質調査)10.4844.7%54.8%0.5%0.5%

対象会社の売上合計(億円)

建コン協会 13社
119.41
地質協会 2社
2.51
測量協会 107社
166.99
追加掲載 1社
0.48

建コン協会13社の売上合計は119.41億円、売上加重の営業利益率は14.3%、会社ごとの中央値は8.3%。伸栄開発の売上と営業利益が大きいため、加重平均と中央値の間に差がある。

地質協会の区分は2社で、営業利益率は加重1.3%。ただし、地質調査を行う会社の一部は建コン協会へ整理されており、この2社を兵庫県の地質調査業全体とみなすことはできない。

測量協会107社は売上合計166.99億円、営業利益率は加重4.1%、中央値1.5%。この区分には建設工事などを兼ねる会社も含まれる。社数も対象事業も異なるため、区分間の売上や利益率の差をそのまま業種の優劣へ置き換えるのは難しい。

3.会社別財務一覧(区分内は売上順)

金額は会社全体の直近掲載決算。表は横にスクロールして見られます。「※」は12か月未満の決算。所在地は企業要覧の主たる営業所から市町名を表示した。会社名は空白や一部の字体を整理している。

建コン協会:13社

売上順会社名主たる営業所決算日売上
(億円)
原価
(億円)
販管費
(億円)
営業益
(億円)
営業益率純益率自己資本比率
1伸栄開発株式会社たつの市2026-04-3038.3124.932.6310.7528.1%21.1%72.3%
2株式会社ジャパックス神戸市2026-05-3116.8213.382.840.603.5%4.0%42.0%
3株式会社新土木開発コンサルタント神戸市2025-05-3115.499.743.052.7017.4%12.1%42.0%
4株式会社建設計画神戸市2025-06-308.760.007.221.5517.6%10.3%80.2%
5株式会社トクナガエンジニアリング神戸市2025-09-307.745.711.730.314.0%0.9%26.1%
6株式会社明友技建神戸市2026-04-306.761.814.010.9514.1%11.3%74.5%
7株式会社エンタコンサルタント西脇市2025-09-305.382.802.530.050.9%2.2%48.8%
8株式会社西播設計たつの市2025-12-314.834.081.33-0.57-11.8%2.7%15.2%
9阪神測建株式会社神戸市2026-03-314.642.561.690.408.5%8.6%83.6%
10株式会社サンコムたつの市2026-05-313.832.311.200.328.3%6.0%36.6%
11株式会社ウィルコン姫路市2026-03-312.401.241.140.010.6%0.0%9.6%
12株式会社リオプラン丹波市2026-05-312.231.470.560.208.9%9.7%79.4%
13株式会社ニコス豊岡市2026-04-302.221.141.26-0.19-8.5%-76.7%93.4%

地質協会:2社

売上順会社名主たる営業所決算日売上
(億円)
原価
(億円)
販管費
(億円)
営業益
(億円)
営業益率純益率自己資本比率
1播磨地質開発株式会社姫路市2025-09-301.380.950.45-0.02-1.5%0.0%13.9%
2有限会社太田ジオリサーチ神戸市2026-03-311.130.270.810.054.7%7.9%44.8%

測量協会:107社

売上順会社名主たる営業所決算日売上
(億円)
原価
(億円)
販管費
(億円)
営業益
(億円)
営業益率純益率自己資本比率
1株式会社森崎組赤穂市2026-03-3133.7626.815.091.865.5%4.6%57.7%
2株式会社オーシスマップ養父市2025-08-318.394.452.351.5918.9%13.5%57.7%
3有限会社ダイキ開発宍粟市2025-08-318.237.600.620.020.2%0.4%29.1%
4株式会社GEOソリューションズ西宮市2025-09-307.856.071.570.212.6%3.9%56.0%
5株式会社ジオテクノ関西西宮市2025-09-306.685.500.870.304.6%3.2%62.9%
6株式会社山本設計神戸市2026-05-316.123.781.490.8614.0%3.8%70.5%
7株式会社丸尾計画事務所姫路市2026-05-315.214.020.970.224.2%3.5%39.1%
8株式会社アワジテック神戸市2025-09-305.161.682.650.8416.2%10.2%40.5%
9株式会社リング小野市2026-06-304.392.960.890.5412.4%9.7%72.3%
10株式会社関西エンジニヤリング神戸市2026-03-314.342.981.000.368.4%8.3%57.9%
11株式会社播磨設計コンサルタント加古川市2025-07-313.622.560.690.3710.3%7.8%66.3%
12株式会社大設姫路市2025-09-302.812.030.610.176.1%4.5%86.9%
13ミツヤ設計株式会社加古川市2026-03-312.620.981.72-0.07-2.7%-6.4%35.8%
14セブン開発株式会社たつの市2025-07-312.511.580.910.020.7%8.2%96.8%
15株式会社アイコン姫路市2025-07-312.401.780.470.166.5%4.0%63.7%
16株式会社神崎測量設計神崎郡市2025-10-312.191.680.510.010.2%0.1%58.6%
17株式会社ハマコン美方郡新温泉町2025-11-302.051.211.16-0.32-15.5%-11.5%31.7%
18株式会社テクセル豊岡市2025-07-311.981.360.540.084.1%2.6%64.3%
19株式会社朝日コンサル小野市2026-05-311.861.230.580.042.1%1.9%66.1%
20株式会社コンサルタント関西姫路市2026-03-311.621.150.53-0.06-3.8%-3.9%93.9%
21有限会社永井測量設計小野市2025-08-311.600.830.450.3220.1%15.1%91.2%
22株式会社武仲神戸市2026-03-311.521.130.370.021.0%-0.2%28.7%
23株式会社内山測量設計加西市2026-05-311.491.100.380.010.9%0.4%80.4%
24株式会社ハセック豊岡市2026-05-311.490.950.480.064.3%2.2%69.2%
25広洋測量設計株式会社養父市2026-02-281.440.700.81-0.07-4.8%-3.0%67.5%
26株式会社原田測量設計明石市2026-04-301.431.320.080.031.8%-0.1%16.5%
27有限会社ヤマト測量姫路市2025-08-311.420.860.400.1611.4%6.7%90.9%
28近畿測量株式会社南あわじ市2026-03-311.410.610.720.085.9%-2.5%11.8%
29有限会社関工建設コンサルタント加古川市2025-06-301.390.341.040.000.0%1.1%29.9%
30株式会社大地淡路市2026-04-301.310.400.770.1410.6%11.2%38.8%
31株式会社アーバンクリエイト川西市2025-09-301.301.000.240.064.8%2.7%16.8%
32株式会社丸山測量宍粟市2025-08-311.280.650.520.129.2%7.1%64.9%
33有限会社カワイ設計佐用郡佐用町2025-09-301.230.850.360.021.5%0.1%37.6%
34有限会社トライテック加西市2025-07-311.100.590.500.010.7%0.3%56.0%
35阪神工測株式会社西宮市2025-08-311.080.940.18-0.04-3.8%-3.3%13.1%
36株式会社アイム美方郡香美町2026-03-311.060.680.38-0.00-0.0%1.1%92.2%
37株式会社兵庫エンジニアリング丹波市2026-05-311.010.720.39-0.10-9.6%-12.5%2.2%
38株式会社アアク設計宝塚市2025-08-311.000.970.05-0.02-2.0%1.5%78.4%
39栄和測量設計株式会社神戸市2025-12-310.960.530.400.043.9%3.6%61.2%
40有限会社平成開発設計姫路市2026-02-200.940.330.580.033.2%1.1%-59.6%
41株式会社シンメイ建設技研宍粟市2026-05-310.920.360.64-0.08-8.4%-6.6%79.3%
42株式会社ソクチ美方郡香美町2026-01-310.910.630.250.033.6%3.6%97.2%
43株式会社ホクト朝来市2025-12-310.910.560.330.022.3%2.1%23.8%
44株式会社メイセイコンサルタント加東市2025-09-300.900.140.750.021.7%2.1%15.9%
45株式会社兵庫コンサルタント洲本市2026-05-310.870.760.100.011.5%1.2%92.8%
46株式会社ハンワ尼崎市2025-10-310.820.350.370.1011.7%8.6%47.0%
47セイヨウプランオフィス有限会社加古川市2026-03-310.810.560.230.022.2%-1.9%25.1%
48有限会社エルデ企画丹波篠山市2025-08-310.800.180.69-0.07-8.4%-9.5%6.4%
49株式会社大興エンジニアリング養父市2026-06-300.760.360.390.010.7%-36.4%14.0%
50株式会社石原測量コンサルタント宍粟市2026-04-300.740.290.390.057.1%5.2%59.5%
51株式会社データーマイン神戸市2025-10-310.680.590.070.022.4%1.5%3.3%
52株式会社河南測量設計丹波篠山市2025-08-310.660.420.37-0.13-19.4%-19.9%39.1%
53有限会社倉本測量丹波市2025-08-310.650.470.36-0.18-28.5%-13.9%0.4%
54有限会社フィースト養父市2025-06-300.630.400.140.1015.3%-104.5%54.7%
55株式会社ヤス測量設計姫路市2025-08-310.620.430.190.011.0%0.6%93.9%
56有限会社足立設計西脇市2026-04-300.580.140.350.0814.6%12.0%89.5%
57株式会社イデア養父市2026-06-300.570.340.23-0.01-0.9%-0.6%90.5%
58株式会社朝日測量設計事務所姫路市2025-09-300.560.340.180.047.2%9.0%47.8%
59株式会社ミヤ測量設計小野市2026-03-310.540.300.230.012.6%1.4%9.6%
60株式会社関西コンサルタント淡路市2026-06-250.530.320.30-0.09-16.8%0.7%97.0%
61株式会社西塚測量設計事務所宍粟市2025-09-300.530.000.520.000.6%-0.6%69.6%
62有限会社高島測量設計たつの市2025-09-300.520.180.150.1937.1%23.8%76.6%
63株式会社立雲朝来市2026-06-300.510.330.170.012.4%2.6%89.6%
64有限会社テクノスリー姫路市2026-03-310.500.400.080.024.6%5.9%21.6%
65北斗測量設計株式会社姫路市2026-02-280.490.320.19-0.02-3.5%-3.6%19.2%
66株式会社新光測量設計たつの市2026-06-300.480.260.200.035.6%0.1%31.0%
67株式会社柏原測量丹波市2025-12-310.480.180.240.0612.3%7.3%52.3%
68森村測量設計株式会社西宮市2025-09-300.440.170.32-0.05-10.4%13.3%83.0%
69株式会社中西調査・測量事務所豊岡市2026-06-300.430.370.060.000.1%3.8%71.1%
70株式会社ジオデザインワークス美方郡新温泉町2026-05-310.420.250.120.0512.3%10.6%28.1%
71幸陽測量設計株式会社尼崎市2026-05-310.420.300.16-0.04-10.7%1.2%91.1%
72株式会社テル測量宝塚市2026-02-280.420.050.360.011.8%1.3%47.2%
73株式会社建設コンサルタント大誠加西市2026-05-310.400.280.12-0.01-1.4%-2.9%-121.1%
74株式会社星コンサルタント神戸市2025-05-310.390.140.250.011.9%0.2%-24.5%
75有限会社藪原測量事務所豊岡市2026-05-310.390.120.30-0.02-5.6%0.7%22.7%
76株式会社奏和測量設計加古川市2026-06-300.390.000.370.013.4%4.8%23.8%
77株式会社兵庫測量設計事務所神戸市2025-12-310.370.150.200.013.5%0.7%34.6%
78有限会社アングル測量設計姫路市2026-05-310.360.190.120.0513.6%24.9%59.8%
79株式会社台地企画多可郡多可町加美区市2026-04-300.320.130.22-0.03-9.9%-10.0%57.5%
80有限会社芦田測量丹波市2026-03-310.310.130.170.025.0%8.9%84.4%
81株式会社第一測量たつの市2026-03-310.290.200.10-0.01-3.0%0.6%27.7%
82有限会社中瀬測量宍粟市2026-06-300.290.140.120.0413.1%12.9%95.0%
83株式会社小西測量姫路市2025-07-310.290.090.22-0.03-9.1%-9.1%18.2%
84中央測量設計株式会社淡路市2025-09-300.280.160.14-0.01-4.8%-5.0%-109.3%
85有限会社アクシス測量設計加古川市2026-06-300.270.100.060.1139.9%42.7%-8.2%
86有限会社ヒロ測量佐用郡佐用町2026-03-310.260.170.080.027.3%7.1%92.9%
87株式会社ハリマテック西脇市2026-04-300.240.080.120.0312.9%13.4%63.2%
88アーバンクリエイト株式会社南あわじ市2025-06-300.240.150.19-0.11-45.5%0.5%24.4%
89扇コンサルタンツ株式会社※神戸市2025-12-310.230.240.28-0.30-128.5%-128.4%1.1%
90有限会社小西測量設計丹波篠山市2025-10-310.220.010.23-0.02-7.2%-6.1%73.4%
91株式会社加東測量加東市2026-06-300.220.140.11-0.03-15.3%-13.1%90.8%
92明石測量設計株式会社明石市2025-09-300.220.040.140.0313.6%21.1%18.2%
93黒田測量設計株式会社丹波市2025-08-310.210.230.22-0.24-114.0%-100.5%-35.4%
94株式会社福本測量設計事務所佐用郡佐用町2026-04-300.210.030.20-0.03-13.3%-14.2%-563.9%
95株式会社ジオリンク佐用郡佐用町2025-10-310.190.150.030.000.3%0.0%85.3%
96株式会社飾西測量姫路市2025-09-300.180.160.03-0.01-6.0%-6.4%95.9%
97有限会社中央測地開発多可郡多可町2026-03-310.170.010.27-0.11-67.0%-49.4%-71.9%
98株式会社井上測量設計事務所西脇市2025-09-300.150.090.08-0.01-6.0%-5.7%-360.4%
99株式会社都市設計コンサルタンツ加古川市2025-08-310.110.010.18-0.08-66.2%-62.4%77.2%
100株式会社山本測量事務所神戸市2025-08-310.110.030.060.0220.3%20.0%98.3%
101株式会社昭和測量設計加東市2026-06-300.110.040.08-0.01-10.7%-10.9%-179.8%
102有限会社氷上測量丹波市2026-03-310.080.050.08-0.04-52.8%-49.3%97.5%
103有限会社岡田測量設計加西市2025-08-310.050.010.12-0.08-149.0%1.3%76.2%
104株式会社中嶋測量西脇市2026-04-300.030.000.17-0.14-406.8%-302.1%-1,483.2%
105株式会社前川技研神戸市2026-05-310.030.050.08-0.10-330.6%-336.5%-365.0%
106有限会社グリーン測量伊丹市2026-06-300.020.070.01-0.06-263.2%-268.0%-325.6%
107株式会社コスモ※朝来市2026-06-300.020.150.15-0.28-1,698.3%-1,428.8%39.4%

追加掲載(地質調査):1社

関西地質は宝塚市の地質調査会社。掲載決算は2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)。売上高は4,760.7万円、営業利益24.4万円、当期純利益7.8万円、営業利益率は約0.5%。下表は他社と同じく億円単位で表示しているため、少額の利益は丸めて0.00億円になる。

売上順会社名主たる営業所決算日売上
(億円)
原価
(億円)
販管費
(億円)
営業益
(億円)
営業益率純益率自己資本比率
1関西地質株式会社宝塚市2025-03-310.480.210.260.000.5%0.2%69.0%

所在地:兵庫県宝塚市売布3丁目4番18号。公式会社案内。国交省の地質調査業企業要覧(登録番号1442)に加え、宝塚市の2025・2026年度入札参加資格者名簿(11頁)にも地質調査の業者として掲載されている。

各表の出典:国土交通省「YOURAN」シート。建コン協会は建設コンサルタント用、地質協会と追加掲載は地質調査業用、測量協会は測量業用のデータを使用。完成業務原価は当該事業の原価であり、会社全体の原価と一致するとは限らないため、一覧の原価は売上高−売上総利益で統一した。

4.数字から見える特徴

建コン協会の売上上位は伸栄開発、ジャパックス、新土木開発コンサルタント

伸栄開発は売上38.31億円、営業利益率28.1%。ジャパックスは16.82億円、3.5%。新土木開発コンサルタントは15.49億円、17.4%となった。売上順と営業利益率の順は一致しない。これは直近掲載の1期の比較であり、利益率の差の原因まで示すものではない。

伸栄開発の公式会社案内には、測量調査、道路・河川等の設計、橋梁点検、地質調査、保全業務などが掲載されている。したがって、同社の売上や利益を測量だけ、砂防だけの数字として扱わない。会社案内

測量協会の売上上位には施工を行う会社もある

測量協会区分の売上上位は森崎組33.76億円、オーシスマップ8.39億円、ダイキ開発8.23億円、GEOソリューションズ7.85億円、ジオテクノ関西6.68億円。森崎組は公式会社案内に土木・建築等の建設業許可を掲載し、ダイキ開発も土木工事を専門とする総合建設会社と説明している。両社の会社全体の売上を測量部門の規模として読むことはできない。森崎組/ダイキ開発

オーシスマップの公式会社概要には航空写真測量、GIS、地籍調査、レーザ計測、3次元点群測量などが掲載されている。同じ測量協会の会員でも、事業内容を確かめてから数字を比較したい。会社概要

短期決算では売上順位と利益率の見え方が大きく変わる

扇コンサルタンツとコスモは、それぞれ4か月、3か月の決算が要覧に載っている。年度末に売上計上が偏る業務などでは、短い期間の売上が小さい一方、人件費等の費用は継続して発生し、率が大きく振れることがある。これは一般的な読み方であり、両社の損失原因を特定したものではない。

5.県予算と砂防事業:仕事の背景

兵庫県の令和8年度当初予算案の概要資料には、県土の強靱化として橋梁耐震、法面対策、河川改修、砂防堰堤等の整備が示されている。砂防関係では道山川(加西市)、境谷川(香美町)、城山谷川(丹波市)、塔の町地区(宝塚市)、奥米地地区(養父市)などが掲載されている。当初予算案の概要資料・20頁

また、第5次山地防災・土砂災害対策計画は令和8~12年度が対象。土砂災害特別警戒区域にある人家や公共施設等を含む緊急性の高い箇所を優先し、居住誘導区域や地域の「なりわい」を保全する対策も示されている。県の計画紹介

これらの事業は、測量、地質調査、砂防施設設計、斜面対策設計などの発注背景になり得る。ただし、計画箇所がすべて今年度の調査・設計発注になるわけではなく、工事費をそのままコンサルタント市場の売上へ置き換えることもできない。具体的な受注機会は、発注見通し、個別公告、参加資格と契約結果を確認する必要がある。

予算資料の「案」、事業計画、実際の発注・契約は区別している。県予算の最新資料は令和8年度予算の概要で確認できる。

6.入札価格と仕様書:会社の利益率とは分けて読む

兵庫県が公表する最低制限価格の改定資料では、2024年10月1日以降の入札通知から、測量・土木関係建設コンサルタント・地質調査等の算定式が見直されている。以下は同資料に記載された最低制限基本価格の式。実際の案件では公告と適用制度を確認する。県の算定式改定資料

業務区分最低制限基本価格の算定式(改定資料)
測量直接測量費+測量調査費+諸経費×0.50
土木関係建設コンサルタント直接人件費+直接経費+その他原価×0.90+一般管理費×0.50
地質調査直接調査費+間接調査費×0.90+解析等調査業務費×0.80+諸経費×0.50

公表資料の最低制限価格は、最低制限基本価格にランダム係数と消費税分を掛けて求める。ランダム係数は0.99950~1.00050。式は予定価格に対する一律の割合ではない。また、積算上の「その他原価」「一般管理費」と、会社の決算上の売上原価・販管費は別の区分である。

県の「土木設計業務等委託必携」は2026年10月版が掲載され、設計書の単価適用年月日が2026年10月1日以降の土木部所管の委託業務に適用するとされている。測量、地質・土質調査、設計共通編などの適用版を確認する際の入口になる。委託業務関係共通仕様書

会社全体の営業利益率が高いことと、個別案件を低価格で受注しても採算が合うことは同じではない。案件ごとの作業量、現地条件、照査、外注範囲、成果品の修正や協議回数を見込んで判断する必要がある。

7.利益構造をどう読むか

営業利益は、売上高から売上原価と販管費を引いた残り。売上原価には人件費や外注費などが含まれ、どの費用を原価へ入れるか、販管費へ入れるかは会社の事業内容や会計処理によって違う。原価率だけで非効率と決めたり、販管費率だけで経営状態を評価したりすると、比較を誤りやすい。

自己資本比率も会社の財務を読む一つの指標だが、それだけで資金繰りは分からない。手元資金、借入返済、受注残高、売掛金の回収状況などは別に確認が必要となる。

今回の表は、公開された1期の数字を同じ式で並べたもの。利益の使い道、社員への還元、働きやすさ、技術力の順位を付ける資料ではない。会社を比較するなら、複数期の推移と事業内容、技術者数、受注単価、案件別採算をあわせて見たい。

参考にした公開情報

  1. 国土交通省・建設関連業の登録業者に関する情報提供システム(最終更新2026年10月2日)
    建設コンサルタント企業要覧/地質調査業企業要覧/測量業企業要覧。各ファイルのYOURANシートから抽出・計算。登録書面から抜粋した二次情報。
  2. 建設コンサルタンツ協会・会員企業(兵庫県)
  3. 関西地質調査業協会・会員一覧(掲載基準日2026年4月1日。正会員・賛助会員を確認)
  4. 兵庫県測量設計業協会・会員名簿(あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら行の公開ページ。名簿内の登録回次等に古い表記があるため、現在の登録・財務は企業要覧と照合)
  5. 兵庫県・令和8年度予算の概要/当初予算案の概要資料(20頁)
  6. 兵庫県・第5次山地防災・土砂災害対策計画(令和8~12年度)
  7. 兵庫県・測量・建設コンサルタント等業務の最低制限価格算定式の改定資料
  8. 兵庫県・土木設計業務等委託必携(2026年10月版)
  9. 関西地質・公式会社案内/宝塚市・2025・2026年度入札参加資格者名簿(11頁)
  10. 会社案内:伸栄開発、森崎組、ダイキ開発、オーシスマップ

確認日:2026年10月12日(日本時間)。集計・解釈は公開資料から作成。国交省のデータは更新により上書きされるため、リンク先の数値が本記事と異なる場合がある。企業要覧の空欄や、情報提供対象外の項目に表示されるゼロを、実際の財務値として補完していない。